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「第29回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)本大会」にて研究結果を口頭発表

  • 2016年10月31日
    お知らせ

 2016年10月31日(月)アメリカ・フロリダにて開催された「第29回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)本大会(Congress)」において、真皮の光老化について口頭発表しました。

 この研究結果は、研究部門が取り組んできた「光老化」の美容への影響に関する研究の結果、光老化真皮モデルを用いて判明した、真皮でのプラスミンの産生機構と老化した真皮の光老化についての成果で、“3D photo-aged dermal model could discover novel skin care approaches focusing on interactions between cells and extracellular matrix”
(邦題:光老化する真皮はどうなっているのか?~細胞外マトリックス相互作用の観点から~)と題して、口頭発表しました。
 また、同年11月30日(水)には、東京・品川の「きゅりあん」(品川区立総合区民会館)で開催される「IFSCC 2016・オーランド大会・国内報告会」で、日本国内では初めてその詳細が公表されました。

【 研究報告 概要 】
研究テーマ:「光老化する真皮はどうなっているのか?~細胞外マトリックス相互作用の観点から~」について

当社では、昨年のIFSCC中間大会にて報告いたしました三次元光老化真皮モデルを用いて、プラスミンのコラーゲン分解における重要性を見出しております。本モデルはより実際の真皮に近い構造をとり、コラーゲンをはじめとする細胞外マトリックスとの相互作用が光老化現象においても重要であることが考えられました。
そこで、本モデルと真皮線維芽細胞の培養法として一般的に用いられている単層培養法との違いである細胞外マトリックスに着目し、プラスミン産生機構を解析したところ、コラーゲンに結合するインテグリンα2β1とともにプラスミン活性因子受容体(uPAR)が細胞外に露出し、プラスミンを産生できる状態になっていることを見出しました。

また、老化細胞を用いて同様に三次元光老化真皮モデル作成したところ
(1) 通常の細胞よりもコラーゲンを多量に分解する
(2) プラスミンが通常よりも増加している
(3) 老化によるプロスタグランジンE2(PGE2)産生増加がプラスミン産生増加の原因であることが示されました。

口頭発表の風景

本結果は、老化した真皮では若い状態の真皮よりも多量のコラーゲンが分解され、加齢した皮膚では光老化の進行が早くなり得ることが示唆されました。また、その原因の一つがPGE2産生増加であり、PGE2産生を抑制することは老化した真皮の光老化促進を予防することができると考えられます。